開院以来の大人気!「栄養バランスの良さ」が真骨頂のマイヤーズカクテル
大寒こそ過ぎたものの朝晩を中心に厳しい寒さが続きます。年や地域による差はありますが、2月初旬の節分を過ぎたあたりから、少しは暖かくなってきた、という実感が生じてくるものです。私は北国育ちで寒さには元々強かったのですが、東京の暖かさに慣れてしまい、寒さに少し弱くなってしまったかもしれません。
それでも冬至から1カ月以上が経ち、日足が少しずつ長くなってきました。東京でも12月は夕方5時前に真っ暗になっていたのが、今では5時過ぎまで明るさが残ります。何よりも日差しが強くなってきました。空気は未だ真冬の厳しい寒さですが、日の光は確実に春へと向かっています。まさに「光の春」といえますね。
さて前回は、慢性疲労など様々な心身の不調に威力を発揮する「グルタチオン点滴」についてご説明しました。グルタチオンは3つのアミノ酸から構成されますが、その群を抜いた抗酸化力によって、ミトコンドリアに於けるエネルギー産生を向上させるほか、各種の代謝を正常化させて様々な心身の不調を回復させます。
グルタチオン点滴の人気ぶりは衰えを知りません。蒲田よしのクリニックに於いても、ワクチン接種後の体調不良に見舞われた方々を中心に、グルタチオン点滴のオーダーが飛び抜けて多くなっています。日による変動は大きいですが、点滴希望者の4割程度はグルタチオン点滴を希望するくらい、人気が集中しています。
グルタチオン点滴が人気なのは、蒲田よしのクリニックだけではありません。私と同じくワクチン後遺症などの診療にあたっている医師の多くが、グルタチオン点滴の希望者がたいへん多い、と話しております。そのためか全国的にグルタチオン注射製剤が不足気味となっており、一時は卸問屋からの入荷が途絶えました。
グルタチオンに限らず点滴の特徴の一つは「効果の速さ」です。点滴に含まれる栄養成分が血管内に入り全身へ素早く届くため、即効性が期待できます。そのため個人差はありますが、早い人では点滴開始後およそ30分前後で何らかの効果が現れ始めます。つまり約20分間の点滴が終わる頃には、早くも効いてくるのです。
ところで最近でこそグルタチオンの人気が高くなっていますが、蒲田よしのクリニックの開院当初より定番となっている点滴は「マイヤーズカクテル」です。マイヤーズカクテルは今でも安定した人気がありますが、あまりにもグルタチオンの希望者が多いため、マイヤーズカクテルは二番人気となっているのが現状です。
グルタチオン点滴と同じくマイヤーズカクテルは「即効性」という特徴があります。そのため定期的に点滴を行なう方と並んで、急に点滴を希望してくる方が後を絶ちません。例えば「今日は疲れがひどいので点滴したい」とか「今日から出張なので点滴したい」などと、電話または飛び入りで点滴を希望してくるのです。
マイヤーズカクテルを受けられるクリニックは、日本ではまだ少ないのですが、米国では以前からポピュラーな点滴として知られていました。ジョンズ・ホプキンス大学のジョン・マイヤーズ医師が開発し、後継者が研究と試行錯誤を重ね、非常にバランスの良い優れた点滴として完成されたのがマイヤーズカクテルです。
マイヤーズカクテルの主成分はビタミンB群とビタミンC、カルシウムとマグネシウムです。とりわけビタミンB群がたいへんバランスよく配合されており、これが即効かつ安定した有効性をもたらしています。このビタミンB群のバランスをどう整えるか、マイヤーズ医師および後継者が最も苦心したと伝えられています。
点滴としてのマイヤーズカクテルに限らず、ビタミンB群のバランスはとても重要であり、サプリメント等に於ける配合にも細心の注意が必要です。ビタミンB群にはB1、B2、B6、B12、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、ビオチンと8種類の成分があります。これらビタミンB成分をバランスよく摂る必要があるのです。
ビタミンB群の欠乏症としては、例えば「脚気」という病気が昔から知られていましたが、これは糖質代謝などに関与するビタミンB1の欠乏が原因で、歩行障害などの神経障害が特徴です。食糧不足の時代に、玄米ではなく白米ばかり食べていたり、甘い菓子類をたくさん食べていた人などが、よく罹患していたものです。
しかしビタミンB群の欠乏症は、脚気だけではありません。例えば「ペラグラ」という病気があり、皮膚症状や神経障害などを特徴としますが、これはナイアシンの欠乏が原因です。そのほかビタミンB2やB6、B12、葉酸など各種ビタミンB群の欠乏症が知られており、いずれも欠かす事のできない重要な栄養素ばかりです。
そのように重要な成分の集合体であるビタミンB群が全般に欠乏した際には、様々な心身の不調を招く事が知られています。一部を列挙すると全身倦怠感、集中力および記憶力の低下、音や光などへの過敏、めまい、シビレ、憂うつ感、口内炎、皮膚炎など、実に多数の不調が挙げられ、それこそ枚挙にいとまがありません。
ビタミンB群が全体的に欠乏しているかどうかは、一般的な血液検査によって明瞭に分かります。肝機能の指標とされるASTおよびALT(以前は各々GOT・GPT)が20未満まで低下している場合、ビタミンB群の欠乏と判定されます。実は慢性疲労やブレインフォグ等の不調がある方の多くが、ビタミンB群欠乏を伴ないます。
血液検査によってビタミンB群欠乏が判明し、それが体調不良の原因の一つとして浮上した患者に対し、どのような治療法があるのでしょうか。時々誤解されるのが、足りない栄養素を点滴で補えば良い、という発想です。しかし足りない栄養素の補給は飽くまで食事が基本です。そして補足的にサプリメントを摂取します。
それでは点滴の役割とは何でしょうか。点滴で体内に注入する栄養素は、いわば「起爆剤」の役割です。マイヤーズカクテルにバランスよく配合されているビタミンB群、それに加えてビタミンC、カルシウム、マグネシウムが、機能不全を起こしている代謝システムを急速に回復させ、疲労感などを速攻で改善させるのです。
実際に蒲田よしのクリニックでも、血液検査でビタミンB群欠乏などが判明した患者さんが、食生活の改善とともにビタミンB群を含むサプリメントの服用、ラドン温浴などで治療のベースを築きつつ、体調やスケジュールに合わせてマイヤーズカクテルなどの点滴を行なう、というのが日常的な診療風景となっております。
つまり中長期的な戦略として、サプリメントを含む栄養補給、定期的なラドン温浴やプラセンタ注射などに取り組み、点滴は体調の悪い時や「ここ一番」という時に不定期で行なう、というのが定番となっています。しかしながら最近の傾向としては、点滴を「定期的に」受けるという患者さんも、少しずつ増えております。
・・(続く)
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