2025年の新年を迎えました。皆さま明けましておめでとう御座います。昨年2024年は元旦早々に能登半島で大地震が発生し、甚大な被害をもたらしました。改めて被災された方々へお見舞い申し上げると共に、本年こそは大きな災害などが起きず、平穏な1年となりますよう心から願っております。

さて昨年は「蒲田よしのクリニック」が開院して13年を迎え、ラドン温浴やオーソモレキュラー栄養療法などの治療法が、改めて注目を集める節目の年となりました。その象徴的な出来事となったのが、筋痛性脳脊髄炎・慢性疲労症候群(ME/CFS)に対する「ビタミンⅮ補充療法」の臨床試験が始まった事です。

https://jrct.niph.go.jp/latest-detail/jRCTs041240135 (臨床研究の詳細情報・臨床研究公開システム)

ME/CFSは新型コロナ感染を契機として発生する「コロナ後遺症」、およびコロナワクチン接種を引き金として発生する「ワクチン後遺症(ワクチン接種後症候群)」などに於いてみられる全身倦怠感、集中力・記憶力の低下、ブレインフォグ、不眠、頭痛、めまい・・といった一連の多彩な臨床症状を総括して呼称した疾患名です。

本コラムでは以前、コロナ後遺症に関連したコラムの中でME/CFSについて何回か説明しましたが、今や世界中で研究が進んでおり、ワクチン接種後の体調不良とも関係した医学的知見の進展がありましたので、具体的な治療法も交えながら、改めて次回以降ME/CFSに関して説明したいと思います。

そのME/CFSとも関連する形で研究および臨床応用が進んでいるのが「ビタミンⅮ補充療法」です。ビタミンⅮほど最近の研究により、その重要性と有用性が注目されている栄養素はない、といっても過言ではありません。ビタミンA・B・C・Dと並べて語られますが、今や専門家の間で、ビタミンⅮは半ば別格扱いとなってきています。

そのビタミンⅮに関しても日を改めて詳述しますが、その重要性を示すエピソードを一つ紹介します。次期米大統領への就任を目前に控えたトランプ氏は、1期目大統領任期中の2020年に重症のコロナ感染に罹患しましたが、医師団がビタミンⅮサプリを多量に投与したところ、ほんの数日で回復して退院した、というエピソードが伝わっています。

このようにビタミンⅮは免疫力を強化し、ウイルス感染症や細菌感染症などの予防や増悪防止などに有効である、との研究結果が世界中から発表されています。その有効性に対する評価は、今やビタミンC以上とも指摘されています。コロナ感染が流行した時期に、ビタミンCやⅮのサプリを国民に無料で配った、という国もあったそうです。

ME/CFSの背景ともなっているコロナ後遺症、そしてワクチン後遺症は2020年以来、世界中で大きな問題となっています。とりわけ我が国に於いては、最大7回のワクチン接種が行われ、なおかつ現在進行形で8回目の定期接種が実施中という事もあり、ワクチン後遺症の患者が、なおも増え続けています。

このワクチン後遺症に関しては、ワクチンの危険性が繰り返し叫ばれているにも関わらず接種事業が続けられた事や、接種による健康被害の認定が遅れている事、医療機関による診療体制が未整備である事など、幾つもの深刻な課題が横たわっていますが、これについても、日を改めて詳述したいと思います。

コロナ後遺症もそうですが、ワクチン後遺症は病院で検査を受けても目立った異常所見が得られず、原因不明で治療法もない、などと長く言われてきましたが、世界中で研究が進められており、その原因や背景要因が少しずつ分かってきたほか、様々な治療法が試みられ、一部の治療法では臨床試験により有効性が証明されています。

コロナ後遺症およびワクチン後遺症の病態を語る上でキーワードの一つとなっているのが、冒頭で示したME/CFS(筋痛性脳脊髄炎・慢性疲労症候群)です。これら後遺症の多彩かつ複雑な症候のおよそ半分から7割くらいは、実はこのME/CFSの病態で説明がつくとされています。

ワクチン後遺症を含むME/CFSに対する治療法は各地で研究と臨床応用が進められています。一般的な治療法で効果がなかった患者に対しては、様々な治療的トライアルがなされ、そのうち多くの治療法に有効性が認められつつあります。そのうち一部の治療法に関しては各国で公的な臨床試験が行われ、有効性が確立しています。

ME/CFSに対する治療法に関しては日を改めて詳述致しますが、幾つかの理由により、その中でも注目度が特に高いのが「ビタミンⅮ補充療法」です。その理由として、一つには優れた「有効性」があり、一つには並外れた経済的な「安さ」があります。もちろん基本的な栄養素なので、その「安全性」も無視できません。

実際にワクチン後遺症、あるいはME/CFSに対する治療法としては有効なものが見つかってきましたが、大部分は保険の利かない「自由診療」の範疇のものです。またその多くは決して料金的に安くはなく、安易に受けがたいものも少なくありません。やはり保険の利く、あるいは安価で受けられる有効な治療法の登場が待たれていました。

そのような流れを背景として、私が治療法担当の理事を務める「ワクチン問題研究会」では2024年12月から、コロナ感染後またはコロナワクチン接種後に発生したME/CFSに対する「ビタミンⅮ補充療法」臨床試験を開始しました。私がその臨床試験の代表責任医師を拝命しております。この臨床試験に関しても後日、詳述したいと思います。

https://jrct.niph.go.jp/latest-detail/jRCTs041240135 (臨床研究の詳細情報・臨床研究公開システム)

蒲田よしのクリニック