長く暑い夏もようやく終わり、待望の秋が訪れたと思ったら、雨降りの日も多く、うっとうしい日が続いております。
今年に限らず、近年は夏の暑さと冬の寒さが著しいように見受けられます。
「夏はすごく暑いし、冬はとても寒い!」・・当然なことではありますが、その差がいささか極端なのです。また台風がその発生数、規模ともに増大傾向となっており、竜巻や暴風雨も頻発するなど、気候が全般に激しさを増しています。
激しい気候の原因の一つとして注目されているものに、地球の「温暖化」が挙げられます。二酸化炭素排出量の増大などの影響により、地球上の平均気温が上昇傾向を示しており、それによって偏西風の蛇行やラニーニャ現象の頻発などを招き、気候が全体的に厳しくなっているというのです。
この時期、疲れが取れない、イライラする、息切れ、冷え、眩暈、憂うつ感、ひどい肩凝りなど様々な体調不良に見舞われて、医療機関を受診する方が増えています。検査をしても大抵は大きな異常がなく、「ストレスでしょう」などと医師に言われて症状を軽減させるような薬を出されるのが一般的です。
このような一見して原因の曖昧な症状の多くが、ビタミンやミネラルなど「微量栄養素」の欠乏によるものであることが、最近の研究で明らかにされてきました。一例として心療内科でメジャーな「不安神経症」は、一般的に心理的なストレスや葛藤などが原因とされていますが、別の側面では、これら微量栄養素やタンパク質の不足に起因する場合があることが判明したのです。
不安神経症の症状の一つとして「ひどく不安になる」といったものがあります。
さて不安神経症では、なぜ強い不安を感じるのでしょうか。うつ病や不安神経症などの疾患では、セロトニンという神経伝達物質が著明に減少することが分かっています。セロトニンは「気持ちを前向きにする」とか「精神的に安定する」といったことに関係していますが、セロトニンが減ると心が不安定になり、強い不安を感じるのです。
セロトニンはアミノ酸の一種であるトリプトファンを原料として作られます。ここでトリプトファンからセロトニンに化学変化させるのに必要な物質として、鉄、亜鉛、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンC、マグネシウムなどが関係しています。セロトニン以外にもドーパミンなど重要な神経伝達物質があり、やはりこれらの栄養素が大きな役割を果たしています。
そのため鉄や亜鉛、ナイアシン、ビタミンB6、そしてトリプトファンなどの栄養素が不足すると、これら神経伝達物質の減少を通して神経機能が障害され、強い不安感や憂うつ感、体のだるさ、動悸など様々な症状に見舞われます。別の見方をすると、アミノ酸やビタミン、ミネラル類をしっかり摂取することがたいへん重要なのです。

ビタミンやミネラル、アミノ酸の欠乏に伴う主な症状≫
※ビタミンB群欠乏:倦怠感 憂うつ感 脚気 不眠・悪夢 集中力低下 情緒不安定 口内炎 音への過敏など
※鉄欠乏:疲れやすい 動悸 息切れ 爪の扁平化 不眠 めまい 立ちくらみ 耳鳴り 肩凝り 頭痛 憂うつ感 月経過多など
※亜鉛欠乏:肌荒れ 脱毛 血糖値上昇 風邪をひきやすい 味覚障害 性欲低下 爪の白斑 傷の治りが悪い 情緒不安定など
※アミノ酸欠乏:浮腫 倦怠感 肌荒れ 風邪をひきやすい 貧血 憂うつ感 体力・筋力低下など

「分子整合栄養医学」・・栄養状態を向上させ病気の治療や予防に威力を発揮
米国やドイツなどでは近年、栄養をベースにした医療に取り組む医師が増加してきています。うつ病をはじめとした精神疾患、高血圧などの生活習慣病、心臓病や血管性疾患、アレルギー疾患、ガン、各種難病などに於いて、アミノ酸や微量栄養素を充分に摂取することを重要視した最新の治療法として、「分子整合栄養医学(オーソモレキュラー・メディスン)」がたいへん注目を集めています
クリニックの新メニューの一つである「分子整合栄養療法」に関する説明の続きです。
≪分子整合栄養医学に準拠した診療の流れ≫
1.医師がご本人から体調や食事の状況などをお伺いします。この情報から、欠乏している栄養素の組み合わせが推定される場合も少なくありません。
2.続いて血液検査を行ないます。これにより欠乏している栄養素がかなりの程度、明らかとなります。保険診療の範囲でも多くの情報が得られますが、必要があれば更に詳しい検査を行なうことが出来ます。なおその場合は自費診療となります。
3.問診と血液検査により欠乏している栄養素が明らかとなります。それに基づき、医師が食事の改善に関する具体的な提案を行ないます。軽度の栄養素欠乏であれば、食生活の改善だけである程度は体調の回復が見込めます。
4.ところがある水準を超えた栄養素欠乏となると、食生活の改善だけでは不充分なのが現実です。そこで当院では、食事の工夫と並んで優良なサプリメントの服用をお勧めしています。

当クリニックで推奨しているサプリメントに関して≫
市場では夥しい種類のサプリメントが売られていますが、全てが良質なものとは限らず、中には品質などに問題のある商品も多いのが現状です。これら多数の中から、私たちはどのような判断基準で飲むべきサプリメントを選択すべきなのでしょうか。
最も大切な基準は、自分の体調や体質に適合したものであることです。換言すると、自分に欠乏している栄養素を網羅しているサプリメントである必要があります。それを考慮して当院では、問診および血液検査により欠乏している栄養素を洗い出し、最適なサプリメントをご紹介しております。
第二に重要なのは、栄養素の含有量が豊富であるということです。栄養素が充分に補給できなければ、体調の回復も思うにまかせません。
当クリニックで最も推薦している米国のサプリメントは、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素、アミノ酸、さらに各種抗酸化成分がたいへん多く含まれています。それにより治療効果がとても優れており、劇的に体調が良くなったという方が多数おります。
第三に、安全性が極めて高いものである、ということが挙げられます。上述の米国製サプリメントは、GMP(Good Manufacturing Practice)基準という医薬品を対象とした厳しい規範に基づき、高い安全性を目指した製品作りが行なわれています。
そしてドラッグストアなどでの一般販売は一切行わず、「メディカルサプリメント」として医療機関のみでの販売が行なわれています。
「ちょっとだるいな…」や「すっきりしないな~」という方は是非一度お試しいただくことをお薦めいたします。

蒲田よしのクリニック