(続き)・・インフルエンザや風邪、胃腸炎などがたいへん流行しています。蒲田よしのクリニックにも連日のように、のどの痛みや咳、発熱などの風邪症状、吐き気や腹痛などの胃腸炎症状を訴えて来院される方が後を絶ちません。
インフルエンザは例年、寒さが峠を越した今頃がピークとなります。厚労省の週毎の統計では、2月初めにピークを迎えた後は患者数が少し減ったといいますが、医療現場ではまだまだ多いというのが実感です。

38℃以上の高熱がある方に対しては「インフルエンザ迅速検査」を行ないます。これは細い麺棒で鼻水を少量採取し、溶液に浸してインフルエンザ抗体と反応させる検査であり、約10分で結果が判明します。
統計は取っていませんが、蒲田よしのクリニックでは検査をした高熱患者のうち約半数くらいが「インフルエンザ陽性」と判定されています。すなわち高熱があればインフルエンザかというと、そうとは限らないのです。

高熱が出るかどうかはウイルスの種類とともに、本人の体質や体力などにより左右されます。インフルエンザも含め、高熱が出た方の方がむしろ回復が早い傾向が見てとれます。微熱か平熱止まりで咳や鼻水などが続く風の方が、かえって長引いているという印象さえあります。
風邪をひくと我々は、解熱剤を飲んで熱を下げようとしますが、風邪で熱が出るのは、身体が風邪と闘っている証拠です。解熱剤の使用には一長一短があるのです。

さて前回のブログでは、蒲田よしのクリニックに於ける診療のうち「ガン以外」の項目について、ごく簡単に紹介しました。今回からは数回にわたり、各々の項目について内容を詳しく解説いたします。

1回目の今回は、蒲田よしのクリニックとしての「診療方針」に関して説明いたします。

蒲田よしのクリニックは、以下の3つの診療方針を立てております。

1:患者様との会話を大切にし、病気や体調不良の原因と対策について患者様にとって最良の治療を一緒に導き出します。

病気や体調不良には必ず「原因」というものがあり、多くの場合、原因は一つではありません。そして原因と対策のポイントは、実は患者様ご自身が持っているのです。従って病気の診断や治療に当たっては、患者様と医師との「会話」がたいへん重要です。
例えば慢性の疲労が重なって、体調不良に陥っている方の場合を例に挙げてみましょう。ひどく疲れている原因として、働き過ぎや睡眠不足、強いストレス、食事や栄養の偏りなど様々なものが考えられます。あるいは食物アレルギーや重金属蓄積の現れかも知れません。そのように様々考えられる体調不良の原因と対策について、納得のいくまで患者様と話し合います。

2:人がもともと持っている治癒力「自然治癒力」を信頼し、薬に頼り過ぎず、体に優しい治療法を心がけています。

薬を用いると病気の症状は確実に、素早く軽減する場合が少なくありません。しかし薬は、病気の原因を解消するまでには至らない場合が多いのです。病気の治療に当たっては、辛い症状を緩和することも大切ですが、人間に元々備わっている「自然治癒力」を引き出し、病気を自然な形で改善させていくような取り組みも必要です。
例えばしつこい頭痛がある場合を考えてみます。鎮痛剤を飲めば確かに頭痛は収まりますが、多くの場合それは一時的です。半日もすれば薬の効果が切れ、また頭痛が始まります。頭痛の原因となり得るストレスや体の冷え、栄養バランスの乱れ、運動不足などへの対処を並行して行なえば、頭痛の原因そのものを抑えることが出来るのです。

3:患者様の健康に関する考えや「こだわり」を尊重し、様々な治療の選択肢を提供いたします。

今の時代、健康や医療に関する考え方は十人十色です。また一人一人、治療法や健康法に「好み」や「こだわり」を持っているものです。蒲田よしのクリニックでは、画一的な医療を患者様に一方的に押し付けるのではなく、可能な限り患者様の考えや好み、こだわりを尊重した医療を心がけています。
例えば同じ更年期障害の女性であっても、漢方薬などの薬物に信頼を寄せる方に対しては、薬物を中心とした治療方針を立て、反対に薬以外の自然な治療法を望まれる方に対しては、栄養療法やプラセンタ注射、ラドン浴などの治療法をご提案します。
治療方針を最終的に決定するのは医師ではなく、あくまで患者様なのです。

次回は「漢方療法」に関して、説明いたします・・(続く)

蒲田よしのクリニック