吉野です。先日11日には、何と約4年ぶりにブログを投稿しました。ようやく書いたという充実感があり、モヤモヤした感じが吹っ飛びました。そして、また「書こう!」という気になるから不思議です。

これ以外にも最近になり再開したサイトがあります。「専門家プロファイル」です。各分野の専門家がコラム執筆やQ&A回答などを載せるサイトで、私は10数年前から「医師(精神科)」のカテゴリーで活動していました。

このサイトではこれまで、コラムを500件近くも書いてきましたが、しばらくお休みしていました。そして先日7日には、何と約7年ぶりにコラムを投稿しました。

https://profile.ne.jp/pf/myoshino/c/c-216156/

そのほか昨年8月からはFacebookの活動を続けています。時々コラムを書くほか、ジャーナル記事の紹介やコメントを盛んに掲載しています。

https://www.facebook.com/masato.yoshino.146/

当面はこの専門家プロファイルと、クリニックのホームページの2本立てでコラムを投稿していく事になります。またFacebookでも情報交換しています。あわせてご支援をお願い致します。

両者の役割分担としては、専門家プロファイルは「企業向けウツ予防」に関する取り組み、クリニックのホームページは「栄養療法」などの診療内容、という色分けを考えています。

さて先日のブログでは、コロナ蔓延の影響で3~5月にかけ来院患者数が減ったものの、6月以降は回復に転じ、9月までにはほぼ例年並みまで増加した、などと近況を説明しました。

そして「外出自粛」などの影響で通院をお休みしていた方々は、数か月ぶりで来院した折に、様々な体調悪化を訴える方が多く、経過中に風邪症状に見舞われた方も目立ちました。

一方で自粛期間中も休まずに通院を続けていた方々の多くは、全般に体調が安定しており、風邪をひく方もたいへん少ない傾向がありました。通院治療を続けるか否かが、体調の安定性に影響を与えていたのです。

当院に通院中の方々に限らず、外出自粛やテレワークなどによって体調不良やメンタル不調に見舞われた方々は、たいへん多いようです。マスコミ等でも「コロナうつ」「コロナ疲れ」などというキャッチフレーズが、よく目に入りました。

「コロナを予防する」はずだった外出自粛、テレワークが、むしろ体調不良やメンタル不調の引き金になり、風邪やインフルエンザ、そしてコロナに罹りやすくなってしまったとすれば、まさに皮肉な結果と言わざるを得ません。

外出自粛などで「家にいる(ステイホーム)」事が、なぜ体調不良やメンタル不調、風邪をひきやすい、などの結果を招くのでしょうか。様々な要因が指摘されていますが、最大要因の一つとして注目を集めているのが「ビタミンD欠乏」です。

恐らく今年ほど「ビタミンD」が注目された年は、あまりないのではないでしょうか。トピックとしては「米国のトランプ大統領が新型コロナに罹り、ビタミンDを投与されて速やかに回復した」というニュースが世界中を駆け巡りました。

トランプ氏に限らず、コロナによる風邪症状や肺炎が、ビタミンDやビタミンC投与によって劇的に改善した事例は、世界中で非常に多数に上っています。臨床ケーススタディーの論文も、世界各国から盛んに発信されています。

さてそのビタミンDが、なぜ体調やメンタルの状態、風邪やコロナ感染と関係しているのでしょうか。ビタミンDというと「骨を丈夫にする」ビタミンであり、日光浴によって体内で合成される、という説明が広く知られています。

実は、ビタミンDの作用はそれに留まりません。近年の研究と臨床によって、実に多彩で広範な作用、健康上の効果がある事が分かってきました。我々はもはや、ビタミンD抜きでは健康を語れない、と言っても過言ではありません。

第一に、ビタミンDは「免疫力」と深い関係があります。ウイルスや細菌、カビ、寄生虫など病原体から身を守る役割の免疫システムは、様々な栄養素の作用によって強化されますが、その代表格の一つがビタミンDなのです。

コロナ感染にビタミンDが有効との報告が相次ぐ、と前述しましたが、かなり以前からインフルエンザや風邪などにも有効との報告は少なくありません。「風邪を防ぐために日光浴を」という呼びかけは、昔から各地で行われていました。

10年前の慈恵医大による研究ですが、小中学生167人にビタミンDを投与したところ、対照群に比べてA型インフルエンザへの罹患者が42%ほど減少した、というデータが出されています。インフルエンザが半分近くも減った事になります。

次に「腸内環境」への深い影響が知られるようになりました。小腸の粘膜上皮は食物の栄養吸収などに大切な役割を果たしていますが、その粘膜細胞の新陳代謝にビタミンDが重要な意味を持っているのです。

小腸上皮細胞の再生や細胞間の固着などにビタミンDは不可欠であり、もしビタミンDが欠乏していると、上皮細胞の数が減少し、また細胞間に「隙間」が生じてしまい、様々な栄養素の欠乏や食物アレルギーなどの原因となり得ます。

具体的には、食物から消化・吸収された栄養素が、小腸上皮細胞の隙間を通って漏れ出る「リーキーガット症候群」が」生じ、鉄やビタミンB群、亜鉛など重要な栄養素の欠乏が発生、または増悪する結果を招いてしまいます。

一方で上皮細胞間の隙間から「未消化のタンパク質」が小腸上皮に分布する血管に侵入し、体内各所で「遅発型フードアレルギー」を発生させます。するとウツ症状などメンタル不調、慢性疲労、片頭痛など様々な体調不良を引き起こします。

他にもビタミンDは神経細胞の安定化などにも関わっており、その欠乏は腸内環境の悪化と連動して、ウツや不眠、パニック障害、不安障害などメンタル不調の直接、間接の原因となるのです。

このようにコロナ対策やウツ対策など、多くの点で重要性を増しているビタミンDですが、困った事にビタミンDが不足または欠乏している方は、日本人女性の7割以上に及んでいます・・(続く)

蒲田よしのクリニック