吉野です。こんにちは。そして少々遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。今年も皆様の健康を願い、診療とブログ執筆を並行して頑張りたいと思いますので、宜しくお願い致します。

前回のブログ投稿は12月16日でしたので、それから1か月近くが経ちました。12月は立て続けに3本ほど書きましたので、それ以降は少しペースダウンとなってしまいました。それには一つ言い訳があります。それは「お掃除」です。
元々12月は「大掃除」のシーズンです。蒲田よしのクリニックに於いても毎年のように年末の掃除はするのですが、開院7年目を迎え、各所に汚れも目立つようになりました。そこで診察室や点滴ルーム、ラドンルームなどを念入りに掃除しました。

不要になった書類や雑誌類などをまとめて処分したほか、普段はあまり行なわない床拭きやカーテンの洗濯、医療機器類の拭き掃除などを入念に行ないました。
慣れない大掃除により、正月中まで腰痛や腕の筋肉痛などに見舞われましたが、久々に診察室などがピカピカになると、とても気分が良いものです。
掃除というものは得てして億劫なものですが、少し驚いたのは、一たん始めてみると、なかなか楽しいものであるという事です。キレイになっていくのが手に取るように感じられ、止められなくなります。そのような状況でブログの執筆も、しばし止まってしまいました。

部屋の掃除に取り組んでいて、ふと気がつきました。部屋と同様、人間の体もこまめな「お掃除」が必要である、と。人間の外的環境である家やオフィスなどと同様、内的環境である体内も、常にキレイな状態にしておくことが大切である、と感じたのです。
確かに室内の掃除をすると、気分が良いばかりでなく、仕事や生活などの活動が、とてもやりやすくなります。例えばゴミが散乱していた部屋をキレイにすると、移動がスムーズになり、作業もはかどります。良いアイデアも浮かびやすくなります。
同じように、体内をキレイな状態に保っていると、疲れにくくなり体が軽く感じます。免疫力も向上するため風邪をひかなくなります。最も分かりやすいのは肌の調子です。肌の手入れも大事ですが、何より体内をキレイに保つことが、美容のためには重要なのです。

さて「体内をキレイにする」というのは、具体的にはどのような事を指すのでしょうか。体の外側の汚れは、肌荒れや吹き出物など、分かりやすい形で現れますが、体の「内側の汚れ」というものは、一見して分かりにくいものです。しかしながら体の内側は、我々自身が考えるより、とても汚れているのが現実です。
それでは体内の汚れとは、具体的にどのようなものでしょうか。体を汚染する物質は実に多数あり、それこそ枚挙に暇がありませんが、最近とりわけ注目されているものの一つに「活性酸素」が挙げられます。

活性酸素は、空気中に存在する酸素が、より反応性が高くなったものであり、体内の脂質などの栄養素、細胞膜や血管、神経などの構造物を酸化させる、いわば酸素の「暴れん坊」です。
そんな危険な暴れん坊など体の中にはある訳ない、と考えたくもなりますが、現実には常に体内で活性酸素が生成されています。早い話、呼吸で酸素が体内に取り込まれますが、そのうち数%は活性酸素に変わってしまいます。つまり我々は、活性酸素と無縁の環境に住んでいる訳では決してないのです。

但し我々は、活性酸素を「無毒化」する能力を持ち合わせています。すなわちSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)などの抗酸化酵素が、活性酸素を速やかに消去してくれています。このような抗酸化酵素が存分に働いてくれている限りに於いては、活性酸素による健康障害は、最小限度で済むはずです。
ところが現実には、抗酸化酵素は年齢とともに活性が低下していきます。またストレスや過労、睡眠不足、タバコ、栄養バランスの乱れ、冷えなど様々な要因によって、抗酸化力は低下してしまいます。そして意に反する抗酸化力の低下によって、病気の発症や早過ぎる老化を招くのです。

それでは、どの様にすれば抗酸化力の低下を、少しでも遅らせることが出来るのでしょうか。もし抗酸化力を著しく向上させることが出来れば、老化の進行を抑制して若返る事も、病気の発症を予防する事も、ある程度は可能となります。

前回までのブログでは、風邪やインフルエンザの予防のためには「体を温める」事が有効である、またそのための有用なツールの一つが「お風呂」の活用である、とお話しました。
お風呂などで体を温めることで、なぜ風邪に罹りにくくなるのでしょうか。その理由の一つが、実は「解毒」の促進です。体を芯から温める事によって、抗酸化酵素が活性化され、活性酸素の分解が進みます。その結果、免疫力が向上して風邪やインフルエンザに罹りにくくなる、という訳です。

抗酸化力を劇的に向上させるために、さらに有効な方法があります。それは「ラドン温浴」です。これは風邪やインフルエンザの予防にも威力を発揮します・・(続く)

蒲田よしのクリニック