吉野です。こんにちは。ここ数日は西日本を中心に猛暑傾向となっていますが、皆さんの所はいかがでしょうか。7月の上旬から中旬にかけては九州などで大雨となる一方、関東など東日本で猛暑傾向となっていましたが、ここにきて少し逆転気味となっています。東京などでは「梅雨明け」以降、むしろ曇り空が目立ってきており、気温も一時期より若干落ち着いています。一方で西日本は連日、33~34℃の暑さが続きます。

ところで7月29日(土曜日)朝のニュースや新聞を見て、ため息をついた方も多かったのではないでしょうか。私は日経新聞を購読していますが、第一面の右側に「北朝鮮が弾道ミサイル発射」という記事、左側に「稲田防衛大臣の辞任」に関連する記事が大きく載っていました。夏休み気分も吹っ飛ぶような景気のすこぶる悪い話題が、これでもかと我々の目の中に飛び込んできて、苛立たしい事この上ありません。
北朝鮮が国際社会の非難を無視し、弾道ミサイルの開発・発射に余念がない事は、先刻ご承知の通りです。7月4日にはICBM(大陸間弾道弾)級のミサイルを発射し、独立記念日に沸く米国の鼻をあかしました。日米を含む国際社会がこぞって経済制裁をかける中でもミサイル開発に邁進し、28日の深夜に2回目のICBM級ミサイルの発射を強行したのです。これでは夜もおちおち安心して眠れない、というものです。

そのように東アジア情勢が緊迫する中、日本の防衛は一体どうなっているのでしょうか。我が日本では目下、「日報」の隠蔽問題および稲田防衛大臣の辞任で大騒ぎです。南スーダンに於けるPKO活動に於いて、現地の状況を日々記載する日報を公開しなかった疑惑で、特別防衛監察の調査結果を発表すると同時に、稲田防衛大臣が責任を取って辞任しました。自衛隊に組織的な隠蔽行為があった模様ですが、真相は闇のままです。
国防や軍事に関する情報は、人命や治安に直に関わる超重要事項ですので、その公開や秘匿に関する扱いは、非常に厳密でなければならないのは言うまでもない事です。それなのに日報を巡り、幕僚幹部や大臣を巻き込んで「消去した」「いや残っていた」などの応酬に明け暮れていました。真相はともかく、大臣と幹部との間で確執があり、防衛省や自衛隊組織の中に「隠蔽体質」があったのは確かなようです。

いずれにせよ、防衛省や自衛隊には国民の生命や財産、安全を守るという重要な任務があります。自衛隊の活動内容に関し、このブログで意見を述べる積りはありませんが、国際情勢が緊迫し、同盟国である米国の内政が乱れている今、しっかりと内部統制し、やるべき事をやって頂かなければ、国民としてはたいへん困るという事です。今度はぜひ防衛業務に精通した方に、防衛大臣を務めて頂きたいと願っております。

さて本題に入りますが、関東などでは若干「戻り梅雨」気味の天候となっているものの、九州や近畿など西日本では、これまでの悪天候の傾向を挽回するかのように、晴れて暑い日々が続いています。細かい統計は確認していませんが、相変わらず「熱中症」で救急搬送される方が続出している模様です。水の事故もたいへん多く、休日を中心として海や川などで遊泳中や釣りの最中に、溺れる人が後を絶ちません。
「夏バテ」に見舞われる方も相変わらず多数です。蒲田よしのクリニックに於いても、食欲低下や全身倦怠感、不眠、頭痛、めまい、憂うつ感などの症状を訴えて来院する方が、毎日何人もいらっしゃいます。ご希望により「ニンニク注射」や「マイヤーズカクテル」などの点滴を受け、多くは元気になって帰られますが、元々プラセンタ注射やラドン温浴などを続けている方は、概して暑さや湿気などに強い傾向が伺えます。

前回のブログでは、熱中症対策の点から「日傘」などの活用、正しい「水分補給」の方法などに関して説明しました。日傘は上手に使えば日照をかなりの程度ブロックする事が可能で、暑さを軽減する事ができます。また暑い時は汗を多量にかくため水分補給が不可欠ですが、スポーツ飲料などを多飲するとかえって喉が渇き、血糖値上昇のリスクがあるため、「真水」を中心としスポーツ飲料は補足的に飲むべきです。

それと並び、猛暑に見舞われて熱中症にかかる危険性がある際には、体を適切に冷やしてやる必要が生じます。体温が異常に上がってしまうと、脳に障害が及ぶ可能性があるためです。その際は、脳の存在する頭部、もしくは脳に届く血液が通る場所を効率よく冷やす事が有効です。冷たい水を多量に飲む方法もありますが、それでは胃腸が冷えるばかりで、むしろ弊害の方が多いと考えられます。
脳に行く血液が通る場所とは、一つには「頚部」が相当します。頚部の前部には左右2本の頸動脈が通っており、脳に血液を送っています。従って頸動脈の拍動を触れる辺りを適切に冷やしてやれば、脳に行く血液を冷却する事を通して、効率的に脳を冷やせます。同様に腋窩部を冷やす事で上肢を、鼠径部を冷やす事で下肢を、それぞれ効率的に冷却できます。

具体的な冷やし方としては、一つには「保冷剤」を用いるという方法があります。弁当や惣菜などを保冷するためのグッズですが、これを幾つも冷凍庫で凍らせておき、必要な時に直ぐ使えるようにしておきます。猛暑によって熱をもってきたら、これを上記のように頚部や頭部、腋窩部、鼠径部などに当てて、血管や頭部を冷やすのです。この方法は意外と即効性があり、熱中症対策としてはかなり有効です。
それと並び有効性が高いものとして「水風呂」があります。お風呂は通常40℃前後の水温として、体を温める事などを目的として入りますが、熱中症になりかかった際には体を「冷やす」目的で活用します。この場合、いきなり冷たい水風呂に入るのではなく、出来るだけ体温に近い、35℃前後という若干温めの水に入ります。その後、様子を見て少しずつ冷水や氷を入れ、徐々に水温を冷やしていきます。

さらに熱中症対策に必要な要件として、「栄養バランス」があります・・(続く)

蒲田よしのクリニック