吉野です。こんにちは。一時的に涼しかった東京なども、再びジワジワと暑さがぶり返してきました。つかの間の涼しい夜は久々にグッスリと眠れたものですが、いつの間にか蒸し暑く寝苦しい夜が戻ってきました。大型の台風5号が九州から四国、本州を縦断し、暴風雨に見舞われましたが、熱い空気も運んできた模様です。いよいよ暑い夏「第2幕」の始まり、といった感じですね。「暑さ対策」に関しては後ほど解説します。

ところで私は恥ずかしながら、久々に「ギックリ腰」に見舞われてしまいました。先の日曜日の朝、ちょうど靴下を立ったまま履いている最中に、ギクッと強い腰痛を感じたのです。このような本格的な腰痛は、何年ぶりでしょうか。この日は日曜日のため幸いにも勤務がなく、本当に助かりました。栄養療法のセミナーがあり参加しましたが、品川にあるセミナー会場まで痛みをこらえながら、何とか移動しました。
セミナー会場では、講師やスタッフではなく一参加者でしたので、椅子に座って話を聞いていれば良いのですが、それでも休憩時間にトイレに行ったり、展示ブースに立ち寄ったり、或いは講師やスタッフに質問しに行くのも、本当に大変でした。椅子から立ち上がったり、後ろを振り返ったりするだけでも、ひどい痛みが走ります。急な腰痛の辛さ、不便さを、身をもって思い知らされました。

私がひどい腰痛に見舞われたのは、これが最初ではありません。勤務医時代だった約20年前には、今回のような急性の腰痛ではなく、冬場にしつこい慢性の腰痛に悩まされたものです。直接にはランニングのし過ぎが原因でしたが、ストレスなども関係していたのかも知れません。痛みがひどく、ランニングはおろか歩くのも大変な程でした。温泉に入っても、痛み止めを飲んでも、シップを貼っても、一向に良くなりません。
通っているジムの友人からの勧めで、スポーツ選手などに評判の鍼灸医院に通い、結局はこの「ハリ治療」で腰痛が劇的に改善しました。お灸と鍼灸、バイブ、マッサージのセット治療ですが、2回目か3回目あたりから痛みがどんどん軽減し、最終の8回目には殆んど痛みが消失しました。最初は半信半疑で始めたハリ治療でしたが、目を見張るような顕著な効果に、本当にビックリしてしまいました。

その後はしばらく腰痛らしい腰痛もなく過ごすことができ、鍼灸の優れた効果というものを目の当たりにしました。そのような経緯があり、現在の蒲田よしのクリニックで取り組んでいる「プラセンタ注射」などの治療に繋がっているものと振り返っています。プラセンタ注射で腰痛などが劇的に改善した人は、それこそ数えきれない程おりますが、プラセンタの「ツボ注射」などは、鍼灸と繋がりのある治療法と感じております。
そこで今回の急性の腰痛に対し、プラセンタのツボ注射を自ら試してみました。腰痛を感じる中心点である、第5腰椎付近の「大腸愈」というツボに、プラセンタ注射を2アンプル(4㎖)分ほどツボ注射してみました。すると、痛みがウソのようにスーッと軽減し、瞬間的に当初の3分の1以下となりました。体を捻じるなどすると痛みが発生しますが、歩行などの日常動作には殆んど問題がなくなりました。

「プラセンタ・ツボ注射」に関しては、また日を改めて詳しく解説したいと思います。また上述の「栄養療法セミナー」に関しても、新しい知見が得られましたので、近々お話したいと思います。

さて本題に戻ります。本格的な暑さが戻ってきたため、夏バテや熱中症対策はまさに喫緊の課題といえます。前回のブログでは、猛暑に対して日傘の活用や適切な水分補給と並び、「保冷剤」を頭部や頚部などに当てて、脳自体や脳に流れる血液を冷やす事、それに「水風呂」に入る事の有効性などに関し説明しました。熱中症で侵されやすい「脳」を守る事が、何より大切なのです。
それと並行して「栄養バランス」がとても重要です。適切な食事を摂り、栄養バランスを整える事は、何も猛暑の夏だけに限った話ではなく、一年中にわたって重要な事です。それでも体力が消耗しやすい暑い夏は、栄養バランスがたいへん乱れやすく、また栄養バランスの乱れによる様々な体調不良が、とても顕在化しやすい時期なのです。従って食事と栄養バランスには、夏場はとりわけ気を遣わなければなりません。

それでは特に暑い時期には、どのような食事や栄養の乱れが生じやすいのでしょうか。先ず考えなければならない要素は、暑い時期には「食欲が落ちやすい」という傾向です。夏場に食欲が低下するのは人間に限った話ではなく、ペットの犬や猫、家畜の豚や鶏なども食欲が低下気味となりますが、これは暑い時期には代謝が若干低下する事や、消化酵素の働きが鈍る事などが、原因として挙げられます。
夏場によく聞くお話に「肉などのコッテリした物は食べたくない。ソーメンのようなあっさりした物ばかり食べている」などというエピソードがあります。これは高カロリーな食品をさほど体が欲しない事や、タンパク質を消化する酵素が勢いを失う事などが、理由として考えられます。その結果として、体に必要なタンパク質やビタミン各種、ミネラル各種など、必要な栄養素が充分に摂取できなくなるのです。

必要な栄養素が不足気味となる原因は、食欲低下だけではありません。中には暑いのにも関わらず、食欲が全く落ちないという方もいますが、それでも栄養バランスが乱れ、体調の良くない人は少なくありません。しっかり食べているのに栄養バランスが乱れるとは、一体どのような事情によるのでしょうか。これは一つには、胃腸の消化吸収の機能が低下し、摂取した食事から充分に栄養が取り込めない事が考えられます。
上述した消化酵素の問題と若干共通しますが、腸内細菌叢の乱れや小腸粘膜の障害などが発生し、食物の消化や吸収に齟齬を来たす胃腸障害が知られています。食欲が保たれている場合でも、せっかく食べた食物が充分に消化、吸収されないために、ビタミン等の栄養素の不足に陥るほか、遅発型の食物アレルギーを引き起こす事が少なくありません。このような胃腸障害は通年性で発生しますが、夏場は特に増える傾向があります。

もう一つ見逃せない背景として、暑い夏場はビタミンなど「栄養のロス」が多い、という事情があります・・(続く)

蒲田よしのクリニック