夏の高気圧は2枚重ね!夏バテ予防のカギは「適正な体温」
院長の吉野です。こんにちは。約2か月半ぶりのブログ投稿となります。たいへんお待たせ致しました。
それにしても暑くなりましたね。梅雨明け前だというのに、各地で35度前後まで気温が急上昇しています。熱中症で運ばれる人も連日、数百人のレベルで発生しています。
先週7日には東京でも37度台まで上がり、蒲田よしのクリニックに来院される方は噴き出る汗を拭いながら、「とっても暑い!」などと、季節外れの暑さに閉口しています。中には早くも夏バテ気味の方もおられ、マイヤーズカクテルなどのビタミン点滴を希望される方も増えています。
今年は梅雨の間でも気温が高めに推移しており、9月までの長期予報でも、西日本を中心に「暑い夏」という予報が出ています。また関東などでは雨不足の傾向が続いており、利根川水系のダムでは渇水の状態となっています。
ところで夏の長期予報というのは冬などに比べて難しいらしく、しばしば大外れします。例えば冷夏との予報が、一転して猛暑となったという事例は何回もあります。これは一つには、暑さの原因となる高気圧が主として洋上に存在すること、などによるとされています。
もっとも今年の場合は、暑さをもたらす高気圧が「二枚重ね」となっており、少なくとも冷夏となる芽は殆んどなさそうです。すなわち毎年必ず出現する太平洋高気圧とは別に、何年かに1回ほど日本上空に現れる「チベット高気圧」が、今年は既に太平洋高気圧の上空に乗り上げてきており、暑さに拍車をかけている、というものです。
今年は台風の発生が低調である、という点でも異例です。ここに来てようやく台風第1号が発生し沖縄の先島諸島などに襲来しましたが、例年に比べて第1号の発生はかなり遅れた模様です。一つの説明としては、ラニーニャ現象の影響などにより、フィリピン近海などに下降気流が発生し、台風の誕生が抑えられた、というものがあります。
但し台風の発生が遅れているからといって、その年の台風の発生数や日本への上陸数が少ないか、というと必ずしもそうではありません。過去の例をみると、全体の発生数は少なくなる傾向はあるものの、上陸数はかえって多くなる場合もあります。台風への備えは同様に必要であり、油断禁物です。
いずれにせよ今年の夏は、相当の猛暑になることを覚悟しておいた方が良さそうです。熱中症の発生は早いペースで伸びてきており、統計上は不明ながら、いわゆる夏バテ的な体調不良の発生数もかなり多くなってきているようです。
しかも近年の傾向として、真夏の暑い期間がたいへん長くなってきている、ということが挙げられます。7・8月が暑いのは当然として、9月いっぱい、或いは10月に入ってからも、暑い日が延々と続くことが少なくないのです。9月はもはや初秋ではなく、夏の延長ではないか、と感じるくらいです。
このように近年の夏は明らかに「長く、暑く」なってきていますが、その原因としては地球温暖化やヒートアイランド現象などが指摘されています。また熱中症などが増えているのはそれだけでなく、人間の側が暑さに弱くなっている、という事情もあると言われています。
さてそのように「長く暑い」厳しい夏を、少しでも快適、健康的に過ごすための、有効な工夫はないものでしょうか。すなわち熱中症を予防し、夏バテにならないのはもちろん、猛暑の中でも元気に明るく健康的に過ごせる、そんな状態を目指そうというのです。
よくある誤解として、暑さを避けるのが無難である、というものがあります。暑い環境に身を置かなければ熱中症にも夏バテにもならない、ということですが、そんな虫のいい話はありません。モンスーン気候の日本に住んでいる限り蒸し暑い夏は避けられないのが現実です。そのような環境に暮らしていても、健康的に夏を過ごすことは充分に可能です。
実は熱中症や夏バテになりやすい人というのは、幾つかパターンがあります。一つには「元々の体温が低い」ということが挙げられます。言い換えると、適正な体温を保つことがたいへん重要なのです・・(続く)