「ビタミンD補充療法」臨床研究の患者登録などに関して、市中病院の地域連携室など40数か所に協力を要請しておりますが、そのうち川崎市の病院で案内ポスターを掲示して頂けました。ようやく一般病院に通院する患者さんへ、情報提供する事ができる段階まで漕ぎつけました。

 

振り返ってみると、昨年12月に「コロナ後遺症外来」の案内、今年1月に臨床研究の告示と案内ポスター掲示の依頼、そして2月にビタミンD補充療法「先行研究」の英論文の提示と段階的にアプローチを重ね、足かけ3か月をかけて、案内ポスターを何とか掲示して頂く事が出来ました。

 

それに加え、同病院の関連クリニックでも協力して頂ける見通しのほか、現在なお都内近隣の病院数か所にも協力を要請しており、さらに案内ポスターを掲示して頂ける医療施設が増える可能性もあります。

 

現状では案内ポスターを掲示するに留まっており、本格的な協力体制とまでは言えない段階ですが、個人クリニック主体の臨床研究に、市中病院が協力を請け負うというのは、現状では稀有な事といえます。

 

市中病院と個人クリニックとが互いに協力し合う「病診連携」の重要性が叫ばれて久しいですが、実際にはクリニックで手に負えない重症患者や精密検査が必要な患者を、市中病院へ紹介する事が一般的であり、病院側からクリニックへ患者を治療目的で紹介する事は、一般的ではありません。

 

つまり病診連携といっても、実際は「クリニック→病院」という一方通行の流れとなっており、反対の「病院→クリニック」という流れは、殆んど機能していません。実際に「蒲田よしのクリニック」でも、病院から正式の手続きで患者が紹介されてきた事は殆んどなく、数千名にわたる病院通院患者が、自己判断でクリニックへやって来たのが現状です。

 

この臨床研究に於ける協力体制を嚆矢とし、市中病院と個人クリニックとの双方向にわたる「活きた病診連携システム」を構築する事が求められます。つまり患者が、病院とクリニックとを不安なく行き来できる体制づくりが急務となっているのです。

 

これは「活きた病診連携」を構築する上での、貴重な第一歩といえます。この様な協力体制を段階的に強化していけば、地域医療は自ずと活性化へ向かいます。そのためにも臨床研究は、格好の題材といえそうです。

 

一般的な病診連携に於ける「かかりつけ医→専門医→かかりつけ医」という患者紹介の流れは、確かに重症患者の鑑別診断と医療資源の分散、という視点では役に立ちます。

 

一方で複雑かつ多彩な症状があり、多角的な精密検査でも鑑別診断がつかないような症例に関しては、病院での原因追及はほどほどにして、いち早く根本的な治療を行なうクリニックへ紹介する事が必要となります。

 

今回の臨床研究に於ける協力体制を基盤として、そのような「血の通う病診連携」を確立することが必要である、と考えております。

 

複雑かつ多彩な症状があり(そのような患者が多数を占めますが)、総合病院で各分野の専門医による鑑別診断が済んだ患者を、根本治療のできるクリニックへ紹介する、という正式ルートが確立すれば、病院も、クリニックも、患者も得をする、まさに「三方よし」の医療環境が整う事になります。

 

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蒲田よしのクリニック