慢性疲労や進行ガンにも本領発揮!あの玉川温泉にも通じる「ラドン温浴」の面目躍如!
正月休みも明けた1月5日は、東京都内でも氷点下の冷え込みとなりました。今シーズン初の「冬日」到来ですが、皆さんの所では如何でしょうか。私が生まれた岩手県、45歳頃まで暮らした山形県では氷点下の冷え込みなど日常茶飯事ですが、東京に移住して15年以上が経ち、東京の暖かさに慣れるにつれて、いつの間にか寒さには少し弱くなってしまいました。
弱くなったのは寒さよりも「乾燥」かも知れません。東京など関東平野の冬はカラッ風により、たいへん乾燥します。これは雪の多い山形などとは、まるで異なる気候風土です。そのため東京に移住した最初の冬は、喘息のようになってしまいました。これは1年で治りましたが、手指の乾燥によるヒビ割れには今冬もさいなまれ、保湿クリームが手放せません。
さて前回は、コロナ後遺症およびコロナワクチン後遺症(接種後症候群)を背景とした、複雑な病態を示すME/CFS(筋痛性脳脊髄炎・慢性疲労症候群)に対する治療法の一環として、ME/CFSではビタミンB群欠乏や鉄欠乏、ビタミンⅮ欠乏など栄養バランスの乱れが関係する事、それらの栄養素を補充する取り組みの有用性について、簡単に説明しました。
その中で、ビタミンⅮ欠乏がME/CFSの病態を引き起こす重要な機序の一つとして、小腸粘膜の細胞間タイトジャンクションの破綻がある、と解説しました。ビタミンⅮはタイトジャンクション強化に寄与していますが、その欠乏により食物由来タンパク質の代謝と吸収に異常を来たし、ME/CFSの諸症状を引き起こす機序が専門家の間で注目されています。
ME/CFSに限らず、小腸粘膜に於ける消化吸収能力の健全性は、腸内環境の安定のために重要な要素の一つとされており、ウツなどメンタル不調や自律神経失調症などに於いても同様の重要性が、かねてより指摘されています。従ってビタミンⅮの補充以外にも、小腸粘膜の状態を改善させる治療法は、以前より研究され臨床応用されてきました。
そのオーソドックスな方法の一つは、発酵食品の積極的な摂取、および乳酸菌など「善玉菌」の補充です。腸内細菌叢を改善する事により、小腸粘膜の消化吸収能力を健全化する事はもとより、免疫力の強化、アレルギーの抑制、自律神経バランスの調整など、様々な機序により心身の状態を改善する事が、多くの専門家により指摘されています。
発酵食品の研究と普及は、とりわけ日本の伝統的な食文化となっています。味噌、醤油、納豆、漬け物など、多くの発酵食品が量産され、日本人の健康長寿に寄与してきました。それが近年ではアレルギー疾患やガン、慢性疾患などの多発といった健康問題は、現代の日本人が発酵食品を昔ほど摂らなくなった事も関係している、と指摘されています。
腸内環境を改善するための乳酸菌、あるいはその生成物などは、サプリメントとしても活用されています。「蒲田よしのクリニック」に於いても、乳酸菌100%製剤のサプリメントを活用しています。粉末製剤であり、1包に1兆個、およそヨーグルト100個分もの乳酸菌が含まれています。これを人によっては1日2~4包程度を内服しています。
この乳酸菌製剤は各種アレルギー疾患やガン、ウツなどメンタル不調、自律神経失調症などの患者が内服し、優れた臨床効果を表わしてきましたが、難治性のME/CFS症例に於いても、疲労症状や集中力・記憶力の低下、ブレインフォグ、胸部苦痛、全身の筋肉痛などの多彩かつ複雑な症状に対しても、かなりの有効性を示しています。
乳酸菌製剤と並び「蒲田よしのクリニック」で素晴らしい臨床効果を発揮しているのが「ラドン温浴療法(放射線ホルミシス療法)」です。2011年11月の開院以来、当院ではラドンルームを設置し、ウツなどメンタル不調や慢性疲労、各種ガンなど多くの疾患や体調不良に対してラドン温浴療法を施行し、軒並み優れた治療成績を挙げてきました。
ラドン温浴療法とは、放射線核種の一つであるガス状のラドン(Rn222)を呼気とともに肺から吸入し、血流に乗って全身に届いたラドンガスから放射線の一種であるアルファ(α)線が放出され、抗酸化力向上や免疫力向上、解毒作用の促進など多様な作用を発揮し、健康上の様々な有用な効果を得る治療法で、古くからの歴史があります。
明治時代からラドン温浴療法を行なっている有名な施設の一つに、秋田県の玉川温泉があります。私も20年以上も前に一度、玉川温泉へ一泊で行った事がありますが、全国からガンや難病の方々が多数、訪れていました。駐車場は全国各地にわたるナンバープレートの自家用車で満杯であり、近場の温泉旅館は半年先まで予約で満室でした。
私は2007年に山形県の病院を退職し、上京してクリニックの開業準備に入りましたが、準備のための情報収集に取り組む過程で、ラドン温浴療法(放射線ホルミシス療法)の並外れた効果に強く感銘を受け、それに後押しされる形でラドンルーム併設のクリニックを開業する決意を固めた、というのがクリニック開業をめぐる実情です。
クリニック開業準備の一環で、玉川温泉と並ぶラドン温浴施設である北海道の二股ラジウム温泉および山梨県の増富温泉を、リサーチがてら2度ずつ訪れました。それぞれに特徴がある素晴らしいラドン温泉ですが、玉川温泉と同様に、いずれも全国からガンやリウマチなど難病の方々が多数、湯治に訪問していました。
蒲田よしのクリニックのラドンルームでは、正確な人数は分かりませんが、少なくとも延べ3000名以上の方々がラドン温浴に取り組みました。人数が最も多いのは更年期障害の女性で、プラセンタ注射と併用する形でラドン温浴を行なう方が多く、他にウツなどメンタル不調や自律神経失調症、ガンなど多くの方々がラドン温浴に取り組みました。
2020年からはコロナ後遺症およびコロナワクチン後遺症、それを背景としたME/CFSの方々が少なくとも数百名、蒲田よしのクリニックに来院されました。それに対しては前述した栄養療法や乳酸菌製剤、後述するグルタチオン点滴やプラセンタ注射、中国医学などと併用する形でラドン温浴を試し、概ね良好な治療成績となっております。
ラドン温浴療法が腸内環境の改善に寄与する、と前述しましたが、それだけでなくラドン温浴療法は抗酸化力の向上、言い換えると酸化ストレスの緩和を通して、心身の状態を改善する事が分かっております。コロナ後遺症およびコロナワクチン後遺症、ME/CFSでは酸化ストレスが著しく亢進しますが、ラドンはこれを強力に改善するのです。
ラドン温浴療法には元々ガンの方々も多く取り組んできましたが、ワクチン接種後に進行ガンを患った方々も少なくありません。ワクチン接種後にはガンの進行が速まる事が指摘されており、俗に「ターボ癌」などと表現されていますが、このような進行性のガンに対しても、ラドン温浴療法はかなりの治療効果を発揮しております。
ラドン温浴療法と並んでコロナ後遺症およびコロナワクチン後遺症、ME/CFSに有効性を発揮している治療法が幾つかありますが、その代表的なものの一つが「グルタチオン点滴」です。次回はこのグルタチオン点滴についてお話いたします・・(続く)