この夏は記録破りの猛暑・・熱中症&夏バテ続出!体調崩した人の共通項とは?
皆様こんにちは。お久しぶりです。1月27日以来、何と約7ヶ月ぶりのブログとなります。一時期クリニックがたいへん忙しい時期があった事と、ラドン療法の学会や企業メンタルヘルスに関する講演などが続いた等の事情で、ブログからは遠ざかっておりました。ここにきて講演などの外部活動も一段落したため、ブログの執筆を再開したいと存じます。ぜひお読みください。
9月に入り早くも秋の気配ですが、それにしても今年の夏は大変な暑さでしたね。地域により暑さの程度にはかなりの差がありましたが、とりわけ関東以北の東日本が記録的な猛暑に見舞われました。東京では8月上旬に、何と8日連続の「猛暑日」を記録しました。猛暑日というのは一日の最高気温が摂氏35度を超える日で、これまでの最長記録は5日間でした。そのため3日連続で記録を更新したことになります。
数字上の話だけでなく、実感としても今年は尚のこと暑さが体に堪えた、という方が多かったのではないでしょうか。上述のように猛暑日には最高気温が35度を超えますが、36度という人間の体温と同程度、あるいはそれ以上の体温ともなると、風が吹いても涼しさを感じず、むしろ「熱風」のようにさえ感じます。そうすると体温が汗によってスムーズに発散せず、熱中症にもかかりやすくなってしまいます。
一方で夜も大変な暑さでした。最低気温25度以上という「熱帯夜」は連日のことで、それどころか最低気温が28~29度くらいという、非常に寝苦しい夜が続いたものです。地域によっては30度までも下がらなかった夜があった様です。これだけ夜が暑いと体に熱が溜まってしまい、上手く寝付けません。普段は夜間に冷房をあまりかけないものの、今年ばかりは冷房をかけっぱなしという方も多かったのではないでしょうか。
逆に、その冷房で体調を崩してしまった方も少なくありません。夜間の冷房かけっぱなし、あるいは日中でも室内や車内の強力な冷房によって、体が芯から冷えてしまい、体力を奪われてしまうのです。かといって冷房を全くかけなければ、猛暑と熱帯夜によって熱中症の危険性が高くなります。いずれにせよ、冷房の効いた場所と効いていない場所との大きな温度差に、体がついていけないのです。
そのような猛暑、熱帯夜、それに冷房による影響で、具体的にどのような体調不良、健康障害が生じているのでしょうか。最も多くの方が見舞われるのが、いわゆる「夏バテ」です。夏バテというのは俗称で、一般には「暑気あたり」などと称されます。連日の暑さの影響で、胃腸機能や自律神経のバランスに乱れが生じ、全身倦怠感、食欲不振、憂うつ感、めまい、頭痛など、様々な体調不良に見舞われます。
暑さが続くと、なぜ体調を崩してしまうのでしょうか。人間は暑い環境で汗をかきますが、それは上がった体温を発汗作用によって、冷ましているためです。ところが多くの現代人は、上手く汗をかく事が出来なくなってしまいました。交通機関の発達などのため総じて運動不足の状態となり、また冷房に頼った生活をしているため、汗をかくことを体が忘れてしまっているのです。いわば「汗腺の退化」といえます。
汗をかけなくなった身体では、当然の帰結として、異常な暑さにより体温が上がりやすくなります。特に高温に弱いのが脳であり、高温による脳障害に基づく頭痛や意識障害など、いわゆる「熱中症」の危険性が高くなります。特に今年の夏は、熱中症により救急搬送された方が全国で連日のように1000人を超え、亡くなった方も大勢いました。猛暑の常態化により、熱中症の危険性が年を追うごとに増しているのです。
この暑さによる体温の異常上昇を防止するため、我々の体には自己防衛の機能が備わっています。それは端的に言うと「あらかじめ体温を下げておく」ことです。特に脳が暑さによってオーバーヒートする事を防止するために、代謝を低下させ体温を低めに設定しておく事が、とりあえずは有効です。そのような事情から、普段の体温が35度台、場合により34度台という、極度の「低体温」の方が少なくありません。
明らかな低体温および低代謝状態になると、確かに熱中症にかかるまでの時間は稼げるかも知れません。しかしその代償はあまりにも大きく、冷え症状や浮腫、胃腸障害などはもとより、不眠症や神経症、うつ傾向、頭痛、腰痛、慢性の疲労、自律神経失調、各種アレルギー、動脈硬化性疾患、さらにはガンの発症などを招く事になります。総じて体調不良や慢性疾患を抱える方の大多数は、低体温の傾向であるとされています。
このような夏バテ、あるいは熱中症を予防する、或いは罹りにくい体に変えていくには、どのような事が必要なのでしょうか。それには幾つもの要素があり、単純に何か一つの事をすれば確実、というようなものは存在しません。食事の栄養バランスや毎日の入浴、睡眠、運動など生活習慣の改善、住環境や職場環境の整備、さらには心の持ち方の工夫など、様々な取り組みが大切とされています。
例えば入浴という行為は、冬など寒い時期にはとりわけ有難いものに感じますが、実は夏の熱中症や夏バテ予防のためにもたいへん貴重なものです。入浴は体を清潔に保つだけでなく、温かい湯船に浸かることによって体を芯から温め、汗をかく「予行演習」をしているとも言えるのです。日本人の健康長寿の秘訣の一つは入浴習慣にありますが、若い世代を中心に「お風呂離れ」が進んでいるのは、由々しき事態と言えます。
蒲田よしのクリニックに於いては「ラドン温浴」を活用した治療法などに取り組んでいますが、ラドン温浴を定期的に続けている方は、殆んど風邪をひきませんし、夏バテとも無縁です。代謝が活発となり、夏にも冬にも本当に強くなります。万が一、夏バテ気味になった場合には、ビタミン点滴である「マイヤーズカクテル」などを施行すると、劇的に体調が改善することが少なくありません。
そしてラドン温浴や各種点滴は、最近の「秋バテ」にも威力を発揮します・・(続く)