私が理事を務める「ワクチン問題研究会」では、コロナウイルス感染後またはコロナワクチン接種後の筋痛性脳脊髄炎・慢性疲労症候群(ME/CFS)に対するビタミンD補充療法の臨床研究をただいま実施中ですが、患者登録期間が当初の2月28日から3月31日まで1カ月ほど延長となった事を、前回のブログでご報告しました。

 

患者登録数は目標の90例に対し、2月下旬の時点で70例を超えました。3月末までの間に目標の90例はもちろん100例以上を目指して頑張っております。何とぞご協力のほどお願い致します。また研究資金を調達する目的のクラウドファンディングは2月28日をもって終了し、多額のご支援を頂きました。心から感謝申し上げます。

 

今回の臨床研究は多施設ランダム化比較試験という研究形式ですが、それに先立ってベースとなる先行研究が、ワクチン問題研究会の会員医師によって行なわれました。兵庫県で病院を経営する外科医で、自院に於けるコロナワクチン接種後のME/CFS患者28名にビタミンD補充療法を行ない、優れた臨床効果が得られました。

 

この先行研究は2024年10月4日の日本神経免疫学会で発表されました。その時の抄録および発表スライドがワクチン問題研究会のホームページ上などで公開されております。

 

(発表概要)
https://jsvrc.jp/241004gakkaihappyo/

 

そしてこのたびNutritionという医学雑誌に掲載されましたので、以下にご案内いたします。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S089990072500036X

 

この学会発表スライドおよび論文をみて注目すべきは、ME/CFSに対するビタミンD補充療法の顕著な効果です。ビタミンDの補充によりビタミンD血中濃度が上昇するのはもちろん、ME/CFSの症状数が明らかに減少しているのです。具体的には28例の患者のほぼ全員で、ME/CFS症状数の減少が認められました。

 

そして80%以上の患者で症状数が減少しただけでなく、ME/CFSの診断基準を満たさなくなりました。つまり大半の患者では症状の顕著な改善があったため、もはやME/CFSを診断基準のうえでは離脱するに至った訳です。ビタミンDという単一の栄養素で、難治とされるME/CFSがここまで改善するとは驚きです。

 

この先行研究をベースとして現在、100例近くのME/CFS症例に対するビタミンD補充療法の「多施設ランダム化比較試験」を実施中ですが、この多施設の共同研究によってクリアーな研究データが得られた場合、今後は一般の医療機関に於けるME/CFSに対する治療法の選択肢が、ぐっと広がる事が期待できます。

 

うつゼロドットコム YouTubeページ
https://www.youtube.com/@%E3%81%86%E3%81%A4%E3%82%BC%E3%83%AD%E3%83%89%E

蒲田よしのクリニック