院長の吉野です。こんにちは。
今週の22日(火)には冬至を迎えました。冬至というのは昼が最も短くなる日ですが、言い換えると、これからは日一日と昼が長くなるということでもあります。またこれから1月にかけ、1年で最も寒い時期を迎える節目の時です。この冬至にまつわり昔から各地で様々な風習が伝えられてきました。現代に暮らす我々にも馴染みの風習の一つが「ゆず湯」であり、また「カボチャを食べる」ことではないでしょうか。

22日に私は珍しく朝風呂に入りました。時間に余裕があったので、朝から営業している風呂屋へ久々に行ったところ、幾つかある浴槽のうちの一つが「ゆず湯」でした。多数の黄色い柚子が、湯面にプカプカ浮いている風景を見ているだけで、ほのぼのとするものです。ゆず湯は他の浴槽と比べて若干ぬる目の温度設定だったにも関わらず、本当に体が温まりました。柚子には体を温め、風邪を予防する効果があるとされています。
一方のカボチャは本来、夏から秋が旬とされる食べ物ですが、保存が利いて冬でも食べられること、ビタミンなど栄養が豊富なこと、体を温めることなどから、明治時代以降になり、冬至にカボチャを食べると健康になる、寒さに強くなるなどと言われ、冬季にも進んで食されるようになりました。確かに甘くてホクホクしたカボチャを食べると、寒さに負けないパワーがついたような気がしてきます。

ところで冬至の頃というのは、朝の日の出が1年で最も遅く、反対に夕方の日の入りが一年で最も早い時期となっています。その結果として昼の時間が最も短いのは冬至、というように定義づけられていますが、それならば朝の日の出が最も遅いのは冬至の日で、夕方の日の入りが最も早いのも冬至の日かというと、実はそうではありません。日の出が最も遅い時期と日の入りが最も早い時期との間には、かなりの開きがあるのです。
理科年表などの暦統計によると、日の出が最も遅いのは冬至のおよそ半月後、反対に日の入りが最も早いのは冬至のおよそ半月前とされています。具体的には、前者は1月7日前後、後者は12月7日前後に相当します。すなわち冬至の頃というのは、夕方の日が既に少しずつ伸び始めている一方で、夜明けは今後もう少し遅くなっていくのです。その総和としての昼の長さが最も短いのが、暦の上での「冬至」というわけです。

さて冬至の日、ゆず湯に入ったと前述しましたが、実は20日頃から私は久々に少し風邪気味でした。風邪といっても喉の痛みや鼻水が中心で、熱も咳もない、ごく軽い風邪症状です。それでもまさに今、風邪に関するコラムを書いている最中に風邪をひくなど恥ずかしい限りですが、何百人と風邪の診察をしたのでやむを得ない、などと言い訳をしています。そういえば今年に入って初めての、1年何か月ぶりかの風邪です。
以前から風邪をひいたときに私が試みているのは、葛根湯など症状に合わせた漢方薬、ノニジュース、乳酸菌パウダー等を内服し、季節の果物をたくさん食べ、ラドンガスを吸入し、時間があればラドン温浴をすることです。今回も翌21日にかけてこれらの取り組みをした結果、症状の悪化を抑えて早くも22日には症状はほぼ沈静化しました。とはいえ22日の時点で倦怠感と食欲不振が残ったため、久々に点滴を受けました。

これは蒲田よしのクリニックで人気を集める点滴の一つ「スーパーマイヤーズカクテル」です。ビタミンB群をバランスよく配合し抗酸化物質を強化した強力な点滴ですが、これを受けた3時間後には早くも明らかな結果が出ました。倦怠感がすっかり消失し、食欲も完全に戻ったのです。体調は120%回復したといってよいでしょう。つまり風邪をひく以前よりもむしろ体調が良くなったのです。翌朝の目覚めも上々でした。
この体験から、点滴の即効性、効能というものを改めて実感した次第です。蒲田よしのクリニックには連日のように、疲労や風邪症状、その他いろいろな体調不良の方が点滴を受けに来られますが、多くの方が求めるのは「即効性」です。すなわち疲労感や風邪症状、アレルギー症状、肩凝りや頭痛、めまい等の様々な症状が多くの場合、きわめて速やかに軽減または消失します。人によっては分単位で効果の現れることもあります。

このように点滴は即効性が特徴の一つであり、人によっては「へたな薬より、点滴の方が遥かに効く」などと絶賛しますが、風邪の場合も含め、なぜそれほど急速に効果を発揮するのでしょうか。それは一つには、各種ビタミンなど点滴に含まれる一揃えの栄養素が血管内に入り、血流に乗って全身各所へ送られると、細胞一つ一つや各組織、各内臓が、俄かに活動を活発にさせるためです。代謝のレベルがグンと上がるのです。
風邪をよくひく、風邪が治りにくい方、或いは慢性的な疲労の溜まっている方に共通している特徴として、代謝レベルが低下していることが挙げられます。それに伴い解毒力や抗酸化力、免疫力などが軒並み低下しています。そのために疲労物質や酸化物質が溜まりやすく、ウイルス感染にも弱くなり、また粘膜も脆弱となります。それらが複合要因となり、風邪が治らない、何回も風邪をひく、だるさが続く結果となるのです。

このように代謝力や解毒力、免疫力の低下している遷延性の風邪の方、慢性疲労の方に対し、マイヤーズカクテルをはじめとした点滴を行なうと、血流が改善し、細胞膜の透過性が向上して、酸素や栄養素の細胞内への取り込みが飛躍的に改善すると同時に、老廃物や酸化物質の細胞外への排出も促されます。そのような作用が連動して発生し、結果的に代謝や解毒、免疫反応が促進され、風邪の治りが一気に進むのです。
そのような実績から、蒲田よしのクリニックでは風邪の方に対し、薬の処方と並行してビタミンの点滴をお勧めしています。薬というものは前述のように風邪の症状を抑えるに過ぎませんので、マイヤーズカクテルなどの点滴で治癒過程を促進させ、症状に合わせた薬を最低限用いる、という基本スタンスです。もちろん点滴を実際に施行するかどうかは、患者さん本人のご希望を最大限尊重しています。

とはいえ風邪は初めからひかないに越したことはありません。すなわち「予防」が何より大切です。それならば風邪の予防には、どのような工夫があるのでしょうか。それには様々な考え方や方法がありますが、重要な切り口の一つはやはり「栄養」です・・(続く)

蒲田よしのクリニック