日本では古くから、秋田県の玉川温泉や鳥取県の三朝温泉、山梨県の増富温泉など各地に「ラドン温泉」が存在しており、がんやリウマチ、神経痛など様々な難病の治療が行われてきた歴史があります。
海外に目を転じると、オーストリアのアルプス山中にあるバドガシュタインでは、治療用の坑道内で温浴治療が行われており、ヨーロッパ中から各種難病の患者が多数、訪れています。
ラドンとはガス状の放射性物質で、固体の放射性物質であるラジウムが壊変して生じます。ラドンを吸入すると、肺から血液に溶け込み、血流に乗って全身の組織や細胞に様々な効果をもたらします。
このラドンを吸入する治療法には幾つかあり、ラドン発生器から発出されるラドンガスを直接吸入する方法なども有効ですが、最も強力な方法は、ラジウム鉱石を含有するラドンルームで体を温めながらラドンを吸入する「ラドン温浴」です。